【無料Web小説】 スペルマ工場物語

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スペルマ工場の朝は早い。
「第一陣始め!」掛け声と共に一列に並んだ男たちが自慰に耽る。その数なんと130人。左手をあげて「イキます!」と言った男の男性器に搾精機が当てがわれ、活きの良いスペルマが吸引された。「あっ」という彼の声にならない吐息はしこしこしこという皮とカリの擦れる音でかき消された。彼は工場一の早漏で期待のエースだ。「よし、休め!」次は二時間後に射精をしなければならない。彼が射精場を背にして2畳半の個室に戻ろうとした時、「イキます!」と別の男が手を挙げた。

彼らが身を削って放つスペルマは世界中に運ばれる。闇精子バンクだ。表向きは薬品会社の工場ということになってはいるが、たんなる射精場だ。種無しの旦那を持つ夫婦が精子を望んだり、男性恐怖症の女性が妊娠のために注文してくる。どんな馬の骨かもわからぬ男の精子なので相場よりだいぶ安いが、注文は絶えない。中にはコレクションのために注文してくるホモがいるくらいだ。焼酎で割って飲んだりしているらしい。

1日4回の射精をして日給は1万3千円。最寄駅が無人駅というこんな田舎ではめったにない待遇だ。だから高校を卒業し、東京や大阪に出る気力のない若者の多くはここに就職をする。一応は性病の検査をするがこんなところに就職するような男性は童貞ばかりなので病気の心配もいらない。なにより、射精することが義務となった若い男からは性欲が失われ、風俗にいったりすることもない。最近は不景気からか、地方から来る若者も増えた。射精能力が衰えてくるまで精液を売り続ける。

精子は一度大きなタンクに集められ、そこから管を伝って小分けにされる。サイレンが鳴り響き、管から康子の元に精子が流れてきた。
「えっもう来たの?」
康子は焦った。さっさとスペルマをパッキングして冷凍しなきゃ。朝9時からから8時間しっかり精子をパッキングする。週に5日働いて月収14万。18歳で就職してから4年間一回も昇給はなかった。我ながら情けなすぎて泣きたくなるけど、この地域で私のように学のない女が就ける正社員枠は珍しい。感謝しないといけないくらいなのだ。中には60台になるまで勤め続ける女性もいる。

「手が止まってるよ」
46歳の先輩に叱られてムッとする。「あたしだって考え込みたくもなるよ。」あんたみたいに子供の学費だの、家のローンだのって追われてるわけじゃないんだ。あたしは将来のこととか考えたい。大阪に行きたい。大阪に行けばあたしだってなんとかなるさ。心の中で康子は悪態をついた。しかし無慈悲にも精子が次から次へと送られてくる。

女性やホモに夢を与える精液販売であたしは夢を潰されそうになっている。こんなハズじゃなかったんだよ!幸せになりたかったんだよ!でも送られてくる精液は止まらない。とめどなく溢れる涙を拭うことなく、康子は精子を冷凍し続けた。

その時にバッコーンという爆音が響いた。隣のフロアにある精子を真空状態にするための装置が爆発したのだ。1台爆発し、その衝撃で2台3台と次々に爆発する。そしてついに精子が貯められたタンクも爆発し始めた。「バコーンバコンガシャン」と工場中に鳴り響く。そして「ビシャー」という精子が飛び散る音がして、「ギャア」という46歳の先輩の叫び声も聞こえた。

早く逃げなきゃ!わかっているのに足が動かない。冷や汗をかきながら康子は自分の中にあった1つの意志に気が付いた。あたしが本当に欲しかったのはこれなんだ。
康子は大急ぎでスカートをめくりあげ、パンティを下ろした。そして床に腰を下ろして大きく脚を開き、大陰唇をつまんで膣を開いた。

その瞬間に精子の波が康子の体を飲みこんだ。
「着床!」
衝撃になんとか耐えながら腕を大きく動かし、必死に起き上がる。気がつけば床上1メートルは精子が積もっていた。精子の海からなんとか首を出し、必死に呼吸をする。

大丈夫、きっと妊娠した。
「なんで気づかなかったんだろう。あたしは母になりたかったんだ。どこの馬の骨だかわからない男の子供だけど、きっと産んでみせる。そうだ、名前はタンクにしよう。シングルマザーだけど立派に育ててみせるよ。タンクが小学校に入ったら授業参観に行くんだ。あたしは母になるんだ。」
精子がヌルヌルと全身にまとわりつくも康子は大きく体を動かし、窓までたどり着いて窓を蹴り破った。溢れる精液の匂いが一気に抜ける。
「あたしは大阪に行く。そしてタンクを産む。」
康子の目には希望の炎が宿っていた。

 

 

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